10年ちょっと


 2007年の11月、小学校3年生だった息子どんが、学校の近くで捕獲して 家まで連れて帰って来た子猫、学校から家までの距離は約2km、よく長い時間 おとなしく抱っこされていたものです、そしてその前年に保護したチャッピー んがすでに家ネコとしてリビングに居り、突然新入りがやって来て大騒ぎ。
ふてぶてしい態度と顔つきからボスという名を点けられ、1年先輩のチャッピー くんと仲睦まじく育つ中、しばしばお風呂に入れて洗われるので、その時間に なると察知して、尻尾をたたんで逃げ隠れする事も多くありましたねぇ。
1年くらい経過して去勢手術を受けたボスくん、チャッピーくん共々立派な オカマちゃんになって、外に出ない家ネコとしてぬくぬくと飼われる生涯を送る ハズだったのですが・・・・・

 オスねこにはマーキングという習性があって、自分の縄張りにおしっこして 臭いを付け、自己の存在を誇示するという行動を取るのですが、去勢手術して オカマちゃんになっちゃうと、これをしなくなるのが一般的であります。
しかしながらボスくん、この法則が当てはまらなかった!。特に布の上や、 カサカサ音がするスーパーのレジ袋などの上で、オシッコをされてしまう事が 多くて・・・・、ハンガーに下がってる息子どんのジャンパーを引きづり 降ろしてはその上に乗ってシャー・・・・、前様のストーンアクセリーの 素材の箱に入ってはシャー・・・・、ネコトイレの砂、袋に入って立てかけ てあると、その袋を破って砂を散らかして、そこでまたシャー・・・・・、 3日に1回は専用トイレ以外の何処かしらでシャー・・・・・ってされるので、 リビングルームが小便臭くてたまらず・・・・、ソファーの上の布カバー なんかでやられた日にゃ、知らずに座って悲惨な状況にも・・・・・。
小便臭くてたまらん、家の中で飼えないぞ!と前様の怒りを買った311の 大震災の頃、家から脱走して1週間以上返って来ないことがあって、そのまま 戻らないのかとも思いましたが、10日くらい経ってから無事に帰って 来ました。
しかし、もう家の中には入れないと前様より宣告を受け、それ以後は外ネコと 成って屋外飼いに至った次第であります。

 外ネコになってからのボスくん、車に轢かれる事もなく、ひょうひょうとした 人なつこい態度で、家の前を通る人の目に留まったようで人気者に!
通行人から餌をもらったり、子供さんたちが自転車を止めて撫でてたり、 中にはわざわざやって来て20〜30分もボスくんと話し込んで遊んでる 方も!。
外ネコボスくんのご飯を横取りしようとする輩もいて、大人のオス猫の場合は、 激しい喧嘩をすることも有るようですが、子猫の場合は容認してるみたいで、 一緒に食べてたりしてます。2011年の夏に連れてきた綺麗な三毛猫さん、 保護して家ネコになったサントラちゃんをはじめ、2015年の8月には シーニャちゃん、2017年の7月にはファーゴくん、同じく11月には ロックくんを引き連れてきました。みなさん保護されて現在は家ねこに なってます。

 春から秋にかけては、雨さえ凌げば外ネコするのも何とかなりますが、冬場は さすがに持たないでしょうという事で、衣装ケースを買ってきては出入り口を 設けて、中にダンボールやクッションを入れてボス小屋をつくりました。
12月の後半から3月の上旬までは、朝に晩に湯たんぽを淹れて寒さをしのいで ました。ちゃんと小屋の中に入って寝ている姿はかわいらしかったです。
ある時、他のネコと喧嘩したのか、下の牙が取れてしまう重傷を負い、1週間 以上食べられない状態が続き、ボス小屋の中でじっとしてるだけの時もあって、 そのまま死んでしまうのかと心配しましたが、どうにかこうにか回復して 元に戻りました。
しかしながら、この時の後遺症が徐々に影響して来たのか、一昨年の夏から ドライフードが食べられなくなり、食べ残してはカラスに全部食べられて・・・ ってパターンも多く発生、やせ細ってきました。これはまずいと、レトルト フードに替えたりもしましたが、食べてる時にどこかに挟まって苦しがる しぐさも出てきて・・・・、さらに食べることが苦手になったようで、都度 掻き混ぜて山盛りにしてやらないと、うまく食べられない様子、人間でいえば 食事の介護が必要な状況となってしまいました。
口からも血の混ざったよだれが出ていて、獣医さんに診せると安楽死を勧められ そうな状況、しかしながら、自分の意志で生きようとしてる限りはサポート してあげることに。ドライフードをお湯でふやかして、そこにレトルトを 混ぜて、ご飯の時には付きっ切りで混ぜてあげる。何とか冬場をしのぎ、昨年 の春から自分で体の掃除が出来なくなったのか、汚いネコさんにはなってしまい ましたが、ブラッシングなどで対応、今年の冬も無事に超すことができました。

 先週あたりから食事の食いが悪くなり、半分くらい食べてはもういらないと、 どこかへ行ってしまいます。そろそろ危ないのかなと危惧してましたが・・・、 木曜日から全然食べなくなり、水だけの生活。4年ちょっと前にわずか7歳で 亡くなったチャッピーくんの最期も食べなくなって水だけでしたから、最期は 近いと覚悟しました。
金曜日の夜は姿を見せず・・・・・そのまま逝っちゃったのかと思いましたが、 土曜日の昼間には顔を出しました。ご飯を与えても一口しか食べられず、 水だけ飲んで、普段なら行かないような場所で横たわってます。これも チャッピーくんの最期の時と同じですね。どこかで力尽きたら葬ってやらねば なりません、手の届くところで最期を迎えてくれればいいのですが・・・・。
 土曜日の夜に姿を消して、日曜日の朝には現れません。昼過ぎに家の周辺を 探したら、玄関ポーチの下にあるダンボール箱に入ってる姿が・・・、 お腹を見ると動いてませんから息をしていない様子、眠るように帰天したの でしょうね。
箱をひっぱり出して死亡を確認。
花が似合うボスくん、前様花壇の一角を掘って埋葬しました。
10年と4ヶ月、年齢にして推定で10歳6か月、長い間、ありがとう。




RIP


2018.4.2 記


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