45周年の1000話目


 1975年の6月1日、自身が19歳の時に御茶ノ水の石橋楽器店に 行って購入したアコースティック・ギター:Guild D−50、もう 少しで入手してから45年の経過となるのよね。
初めて手にしたオール単板のギター、それまで使ってたモーリスの W−50と比較すると、次元が違う音に感じられましたね。
コードを抑えてジャラ〜ンと弾いただけで、モーリスの時には「ボロ〜ン」 て感じだったのが「シャリ〜ン」って聞こえます。
それでも新品のうちは弦だけが鳴ってる感じで、楽器全体から響わたるって イメージではなかったので、もしかしたらこれを選択したのは失敗だった のかな・・・?と悩んだ時もありました。地元の楽器屋さんではGibson のハミングバードがケースに入れられて飾ってあって、店員さんもこれは良い とか話してましたので・・・、もしかしたら、あの時に楽器屋さんで弾き比べした アリアドレッドノート:D−200を選んでいた方がよかったんじゃないか とか。
まあギター素材の価値からして、ハカランダ単板のD−200の方が、今と なっては高価かもしれませんが、D45スタイルのギンギラギンで売れ残って いたような国産のギターと、あこがれのGuildでは後者を選ぶってもので あります。素人目には高い機種に見えないってのも良かったのかもしれま せん。外観の仕様は、ヘッドのインレイを除くと指板のバインディングもなく、 豪華なアバロンもないMartinのD−28のルックスと同等であります。

 長い事使ってると必然的に故障も起こります、最初の不具合は1、2弦の 高音域でのビビり、保証期間中だったので楽器屋さんに持って行ったら、 ボディ上の指板の隆起とかで、12フレット以降をいったん外して指板を 削る修理と相成りました。今考えればネックの元起きの不具合だったわけ ですな。本来ならネックリセットが一番いい修理方法だったのですが、それは しなかった! なのでサドルは低めにして演奏性を維持してますが、幸いなことに それ以上進行することは無く、現在もその状態で使えてます。もしかしたら ボリュームがそんなに感じられないのは、サドルが低くてトップを振動させる 力が上手くに伝わっていない所為かもしれません。
しかしながらその音質は、45年の愛用の中でとても魅力的な音色に変わって きました。基本的に乾いた金属的な音色であり、固めの音ですね、どこかの雑誌で GuildはMartinとGibsonの中間の音とか書いてありましたが、 自分の愛用の個体は全然違います、むしろ音色はGibsonより硬くて、 高音域はMartinより伸びてる感じです、ただ、ど迫力の低音が出ない、 ボリューム感はないのです。
以前に、このギターはヴィンテージにはならないだろうなと、ヤクザなアコギ 道で書いたことがありましたが訂正します、現在は立派なヴィンテージの音に 成長しております。

 修理に関しては上記のほかに、フレット交換、ブリッジ割れ補修、張り直しが 3回、トップ割れ3か所補修、一か所放置と満身創痍の状態ではありますが、 演奏には全く支障はなく、納得の音色で鳴ってくれてます。
数年前にエンドピンの穴を拡大してGHS A137 というコンデンサマイク (http://em-panda.sakura.ne.jp/si-377.htm) を仕込み、バンドの練習で使う機会が増えた所為か、弾き傷の増加とともに 音色も磨きがかかってきた感じですかね。
やっと本来の音色で鳴るようになったのかもしれませんが、ギターにうるさい 友人たちに、同年代のGuildD−40やD−50の音を絶賛して愛用してる方 たちもいらっしゃるので、同じような鳴りになってるのかもしれません。
1979年のGuild F−512もあり、機種の格としてはこちらの方が 上のハズですが、サドルも高くボディの大きいF−512でも、D−50での 満足感のある音色は出してくれません。
1974年製のGuild D−50、シリアルナンバー111352、 自分にとって手放せない、新品から購入の1本となってます。


2020.5.11 記


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