コーヒー豆の自家焙煎


 先日、都内まで行き、コーヒー豆の手網焙煎教室を受けてきました。
『コーヒーだ!』のコーナーで勝手に薀蓄を語ってますが、かれこれ25年ほど自己流で 自家焙煎を続けてまして、改めて初心に帰って、プロが教えるコーヒー焙煎の講習とは どのようなものであろうか、自分が今までにやってきたこととはどこがどういう風に 違うのかと、それらを確認したくて受講してきた次第です。

 いざ受講してみて、今までに自分が築き上げてきたことと大きな違いが 無いことには安心しました。強火で焼けとか、焙煎時間は短い方が良いとかが、 それですね。
で、何が違うかと申しますと、手網焙煎作業についてひとつの業務作業と考えて、 厳格にその手順やノウハウをマニュアル化してあるところでした。
自分の焙煎は感性で焼いてましたので、マニュアルというものはありません、 ひたすら豆と対話しながら、ベストとなる焙煎ポイントを探って焼き上げるような ローストでした。それゆえに、精神面や体調の状態によっては失敗することもあって、 常に完璧とはならないときも多くあったのですが、プロの方は豆の種類によって 異なるマニュアルを用意され、タイマーで時間を計りながら、常に安定して 焙煎できるように配慮されてるところでしょうか。
さらに、手網焙煎でありながら、ロースターを使っての蒸らし焼きに相当する 工夫もご教授いただきました。穴の開いたアルミホイルを用いて、豆が膨らむまでの 初期段階に、熱の掛かり方が変わるように焙煎されていたのです。
その間は豆が見えなくなるので、タイマーを使って計測されており、時間経過で アルミホイルを外し、乾燥焼きに切り替えてました。
また、炎から焙烙の距離は最初から最後まで変化は無く、30cmで一定です。
これらが、自己流の自分との細かな、しかしポイントとなる相違点ではないかと思われます。

 焙煎教室から帰って、いざ自分で焼こうという時に、教えていただいた 通りの手順やノウハウで同じ焙煎はできません。家にある設備、火力、焙烙、豆の性質、 1回に焼く豆の量、全部違います。
また性格的にも、そっくり他人の真似をしようとも思いません。
自分なりの創意工夫をしないと・・・・・。

 まず蒸らし焼きですが、アルミホイルを使ってタイマー管理では豆が見えないし、 途中でそれを外す手間も大変です。また自家用として、豆によって、分量によって、 それぞれにマニュアルを作り直さなければなりません。今さらそこまでやり直す 気持ちはありませんので・・・・・。
水洗いした豆を焙烙に入れて、強火の炎の近くで激しく振ることにしました。
時間を計測してみると、焙煎を開始してから最初の約2分間での真剣勝負です。
強火の中で豆を焦がさないように満遍なく強く攪拌して、チャフが剥がれて豆に 色が付き始めるまで、ひたすら集中力を要します。集中、集中ですね!。
豆が膨らみ始め、色が少し付いたなら、炎からの距離を30cmに保ちます。
以後は機械的に、豆が攪拌するように焙烙を振ってさえいれば、焼き加減が 進んで行きます。
まずは1ハゼが起こり、パチパチと低い音で豆がはじけ出します。
この後は、自分の好みに焼きあがるところまで、焙烙を振り続けるだけ。
我が家的な嗜好としては、豆の性質に合わせてシティーからフルシティーロースト での焙煎加減に揃えていきます。マンデリンなどの苦味が美味しい豆には、 2ハゼのピチピチという高音ではじける音がピークを迎えるまで継続して焼いてますし、 酸味が美味しい豆では、2ハゼが始まった時点で焙煎を終了としています。

 この方法で昨日7回にわたって合計1.4Kgを焙煎してみましたが、ムラ焼けする ことなく、すべて順調に満足できる焙煎ができました。
自家焙煎工程につきましては、上記文章と こちら を合わせてご覧くださいませ。

 焙煎時間を計測してみたところ、豆によって異なりますが、5分30秒から7分30秒程度 でした。
焙煎教室では8分を標準として焼いていたので、まあこれならOKでしょう。
教えていただいたことにより、過去に培ってきた感覚的な経験値に 理論が加わって、自分なりの焙煎マニュアルが出来上がったようです。
やはり基礎の勉強は大切ですね。



2008.12.15 記


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