キレがある!


 ビールのコマーシャルじゃなくて、新しいオーディオ機器を使ってみての感想です。
フォノイコライザー・・・・って書いても、何のことかさっぱりわからない方も多いかと思いますので、 簡単に説明しますと、アナログレコードを再生するに当たり、レコード針から 拾った電気信号に補正と増幅を掛けて、ライン出力レベルまで持ち上げるアンプの一種です。

・・・・ってますますわからないでしょうか?
最近はCD等がメインになってしまい、アナログレコードを使って音楽を聴く方も少なく なったので、アナログレコードの再生原理をご存じない方も多いのでしょうね。
では、もうちょっとだけ詳しく書いておきましょう。(゜O゜)☆\(^^;)エラソウニ

 レコード、眼で見るとわかりますが、円周方向に機械的な溝が切ってあります。
これをターンテーブルに乗せて、LP(ロングプレイ)レコードの場合で1分間に33回と 3分の1ほど回転させます。ドーナッツ盤と呼ばれてるEP(エコノミープレイ)盤では 毎分辺り45回転となります。古いSP(スタンダードプレイ)盤では、78回転でした。
そして、その溝に針を当てて回転させ、振動として検知します。針には発電機構が一体で 取り付けられており、カートリッジと呼ばれてます。カートリッジは機械的な信号を 電気信号に変えて、レコードから信号を取り出すピックアップの一種でもあります。
カートリッジを取り付ける部分をシェル、そのシェルを装着して、レコードから連続して 信号を拾い上げる装置はトーンアームと呼ばれてます。
レコードの溝を振動として拾い上げ、それを電気信号に変換するのがカートリッジの 役割ですが、溝そのものが音楽信号の振幅のまま切ってあるわけではありません。
実際には針でなぞらえやすいように、大きな振幅となる低音は小さめに、また、小さな 振幅となる高音域は大きめにと、高音も低音も一定の基準に従って溝が切ってあり、 この一定の基準は国際規格で、RIAA特性と呼ばれてます。
つまり、カートリッジでは拾い上げた振幅の振動を電気信号に変えてますが、 そのままアンプを通してスピーカーから聴いたのでは、高音がシャリシャリしてるだけで 低音はまったく聞こえてきません。また、その電気信号の大きさ、カートリッジの 発電方式によって異なりますが、テープやCDの電気信号と比べると数百分の1から 50分の1程度と非常に小さくて、そのままでは小さすぎて、普通に聴けるレベルでもありません。
カートリッジから出される電気信号、これを普通のレベルま引き上げて、さらに低音と高音に 補正を掛ける役目を担う部分が、フォノイコライザーとかフォノアンプと呼ばれてます。
昔のオーディオ機器であるアンプには、このフォノアンプが黙って内蔵されてましたが、 CDが普及してからは付属してなかったり、オプションとして別売されるようにもなってきました。
なぜイコライザーという名前が使われてるかと申しますと、先ほど記述しましたRIAA特性、 これと反対のカーブを持つ逆RIAA特性で電気信号に変化をつけて、一定の基準の元、 低音は大きく、高音は小さくして、普通の振幅を持つ音楽信号になるように周波数を 増減させて戻してるからです。
要約すると、フォノイコライザーやフォノアンプってのは、カートリッジが拾い出した電気信号を、 普通の電気信号レベルに変換する装置ということになります。

 そして、ただそれだけの機器とはいえ、その品質や構成から千差万別、ピンからキリまでの 種類と価格帯があります。
ほとんどの構成部品がICチップに詰め込まれた数千円程度の品物から、贅の限りを尽くして 製造された数百万円の機器まで市販されており、レコードの溝に刻まれた機械的な振動から 音楽を取り出すカートリッジ信号、そしてそれを補正するだけのオーディオ機器としての フォノイコライザーですが、長年愛用してますアキュフェーズC280Vというプリアンプ、 購入時の定価は¥800000の品物で、これに内蔵されていたフォノイコライザーアンプを通して 聴いた音と比較して、まさに『音にキレがある!』って感じる 今回のお買い物製品です。
不思議といえば不思議ですし、当然といえば当然なのかもしれません。
やはりフラッグシップ的なそのメーカーの専用機、これに勝るものはないのでしょう。


2010.2.12 記


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