オーディオの基本


 少し前の拙コラム、『 本物とこだわり』では出口について少々書いてますが・・・・・
基本としては、まず入り口も同様に良いものを選ぶべきですね。
昔なら、まずレコードプレーヤー、カートリッジとトーンアームとターンテーブルの組み合わせに、 優秀なフォノイコライザーが内蔵されてるプリアンプでしょうか。
ちょっと前ならCDプレーヤーですね。独立したトランスポーターとしてCDからデジタル信号 を取り出す回転機構、もちろんSACDやDVDオーディオでも同様でしょう。
そして、その取り出したデジタル信号をアナログ信号に変換するDAコンバーター、 高級品ですと、それぞれが7桁以上の価格になります。
最近ならPCオーディオですから、音楽信号はダウンロードもしくはUSBメモリーから の取り込みでしょうか、あるいはCD等からのリッピングによる保存もあるかと思います。
そんなデジタル信号を、やはりアナログ信号に変えなければ聴けませんので、 どうしてもDAコンバーターは必要ですね。
はたして7桁のものが必用かどうかはわかりませんが・・・・?
デジタルの世界はほとんど『石』(LSI)の品質で勝負です。デジタル信号からの 変換用に性能の良い石さえあれば、あとはラインレベルのアナログ信号まで 増幅できるパワーがあれば良いので、超強力な電源回路とかが必用であるとは 思えません、筐体を含めても¥100000もあれば、文句の付けようの無い 製品が出せるんじゃないかと、素人ながら考えてしまうのですけど・・・・・、よくわかりません。
いずれにせよ、入口を良くしておかなくては、入ってくる段階で制限を受けてしまっては、 以後の出口まででは、単なる電気信号の増幅と、スピーカーによる音楽信号への 変換だけですから、良くなる要素はございません。写真で言えば、ピントがボケてる画像は 補正の仕様が無いようなものですね。

 ところで・・・・、入口を良くしたところで、さらに重要な事もございます。
入口から入ってくる音楽ソース、これについても、可能な限り良いものを入手しましょう!
世の中、ありとあらゆる音楽ソースがあふれかえっていて、まさに玉石混合なのです。
ソースの良し悪し、それなりのオーディオシステムで聴くと、その差は歴然とわかりますからね。
例えばビートルズ、古くはレコードですが、このレコードに関しても千差万別です。
言い切ってしまえば、ビートルズが活動していた時期に、リアルタイムで日本国内でプレスされ、 売られていたレコード、情けないほど音質の悪い屑盤がほとんどです.。
昔、USAで買ってきた1枚$1.98のカットプライス盤でさえ、当時の東芝による日本盤の音質と 比較すると、次元が違うのがハッキリわかります。
初期にプレスされた英国PARLOPHONEのモノラル盤の音質と比べたら、 日本製のLPレコードは(円盤投げで)放り投げたくなるのは間違いありません。
再販制度で守られていたためか、過去に日本国内で売られていた多くのLPレコードの音質、 悪過ぎです。
オーディオ装置、いくら入口の性能が良くても、そこから入ってくる音楽ソースの状態が悪ければ、 それ以上の音は再生してくれませんもの。もしかしたら音楽ソースは一番大事な ファクターかもしれないのですよ。

 これがCDによるデジタル音源になっても、あきらかに差が認められますからね。
古い録音の名曲がCDになって、日本とアメリカ(USA)とイギリス(UK)で発売された CDを聞き比べても、その差は明瞭に露出するから不思議です。
さらにデジタリーリマスタリングされたものになると、その違いは一層引き立ちます。
CDが発売りされた当初のフォーマット、標本化周波数44.1KHz、量子化精度16ビット、 ここに大きな問題があったのでしょうね。
最近では192KHz、24ビットによるデジタル音源も流通してるようで、それこそ CD音源とは比較にならないでしょう。
ただ残念なのは、そんな素晴らしいフォーマットが確立されても、古い音源まで すべてリマスタリングして、再発売されるものではないってことです。
ミリオンセラーを記録したような売れ筋の名盤か、世界的に有名な演奏家でもない限り 再発売は期待できませんが、今後のために、安くて良いDAコンバーターを用意して おくのも良いかもしれません。
USBモジュールにビートルズの全アルバムが、192KHz、24ビットのフォーマットで 収まってしまう時代ですからね。

 自宅ではいまさらSACDを収拾する方向に走りたくは無いから、昔から集めた LP盤を聴き比べながら、余生を楽しんでいくつもりです。レコードが全部で何枚あるか 数えたことはありませんが、じっくりゆっくり1枚づつ聴いて選んでいけば、自分なりの 名盤は100枚以上は存在してそうです。
それ以上の音楽ソフトの在庫は、もういらないでしょう。
まずは自分にとっての名盤探しでしょうかねぇ。


2011.6.21 記


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